2015の夏

夏が終わった

今、さらりとした秋の風が
名残惜しそうな日差しの強い中を
吹き抜けてくる


今年は、引っ越して初めて
いろんなお客さんが我が家にやってきた


友だちが引越し祝いを持ってきてくれてワイワイ騒いだり

子どもの友だちが泊まりにきたり

大好きなインドネシアに住む
甥っ子、姪っ子が泊まりにきたり


とかく、先客万来であった




中学に入ると、部活で忙しいだろうとは思っていたが
サラリーマンと同じ様に
お盆くらいしか休みがなく

広島に帰省することだけが私の夏の楽しみなのにも関わらず

子どもの日程と、私の日程がなかなかあわず
仕事もいろいろとあって
本当に、数日しか帰ることができなかった

でも、兄夫婦たちと一緒に
楽しい思い出がたくさんできた


帰る時に
母に車で駅まで送ってもらい
お決まりの大号泣をキメて

ひっくひっく

いいながら

新幹線に乗り込んだ


鞄から、ハンカチを出そう

ガサゴソ

あれ、なんだこの重たいものは


まさかの母の車の鍵であった

そういえば、車から出る際、
警告音のようなものがでていたような気がする。。。。


うっかりにもほどがある

その鍵は、持っているだけで、エンジンかけられたり
鍵を閉められたりするやつなので
便利だが、こういう事もなきにしもあらずなのだ

赤ちゃんのように
うそみたいに涙が引いていった


母は無事に家まで帰ることができたので
胸をなで下ろし、すぐに鍵を送り返した


そんなやっちまった夏。


自宅にもどってからは、すぐに仕事モードになるわけもなく
広島の余韻をどこかひきずってしまい
ぼんやりしていたが

持って帰ったカープソースでお好み焼きを作って

母も頑張っているんだから私もがんばろ

と、ジュウジュウ音をたてるお好みを作りながら誓った

ラジオの仕事をして
次の日のこと
大阪大発見 水都村ビッグ盆
というお祭りの最終日の司会をまかされていた

今年は
『盆踊りの司会とか、やりたいなぁ』とオンエアで言っていたのだが
言ってみるもんだ。
本当に、仕事をふってもらえた。


私は、盆踊りがすきだ

その会場に行く道中に
響く太鼓の音、うまいのかどうかよくわからないけど
歌っているおじさんの声
ちんからちんからっていうあの楽器はなんていうんだろう

その音が近づいてきて
櫓が見えると
草履をぬぎすてて、踊りの輪の中に入りたいという衝動に駆られる


今回は、司会だが
盆踊りに染まれるというこの上ない喜びがあった

クラゲがモチーフの櫓だったので
オリジナルのクラゲをつくって、胸元に貼り付けたものの
ものすごく仕事のとき邪魔っていう。







その祭りは
水都音頭というオリジナルの音頭があり
なんと、その曲を作ったのが大阪出身の、私がラジオをよく聞いていたりした
LOVEちゃんだった

前日に、会えた時に、気持ちいい人だなぁ
というのが分かっていたので
楽しみだった(祭りの日は毎日LOVEちゃんのライブがあったのだ)

そんな水都音頭をLOVEちゃんが唄い
最終日は、元東京事変刄田綴色さんがカホンで参加という
なんとも、贅沢な時間だった

YouTubeで、踊りがUPされていたので
みんな、踊れる人が多かった

これは、広めていきたい!と思うような
人間の人生の縮図のような盆踊り


そんな水都音頭を何回か、踊って

いよいよ祭りも終盤
エンドレス盆踊りタイムになりました

スタッフの方がもってきてる
各地の盆踊りをノンストップで流す
そして、目の前のみんなが踊る

ドンパン節
河内音頭

みんな、どんな曲でも、だいたい踊れる人がいて
その人を真似て、ちゃんとできていた


そうしていくと

なんか

こちらもムズムズしてきた



『ひょっとして、別に、踊りができあがってない曲もみんな踊れるのではないか』


スタッフさんも
ちょっといけるかも???
へんないたずら心が芽生えてしまい
よしっ!洋楽なんか、曲ありますか
と、、、、
あるある!


河内音頭がおわったころに

『みんな、すごい。どんな曲でも素敵に踊る!じゃ、これはどうだ!』

なんていいながら

ファレル・ウィリアムズのHappy

投入


最初は

『エーーーーー』

なんて声も聞こえたが

私もマイクで

『はい、まわる〜まわる〜自由に〜おどりながら〜』
なんて、言いながら
みんな、また自由に所作をつけて踊るのだ!


そして、あの

はっぴ〜〜〜

のところになると
もう、高揚感もありで
ドンパン手を高らかにあげつつも盆ダンス!!!!

その中に
ひときわ際立つ
櫓にほど近いおばちゃんがいた


その人の踊りが
ちょっとみんなを先導しているといっても過言ではなかった


ファレルにのせて
おばちゃんは、自分の持っている踊りのすべての技を
繰り広げてくる


これは、もうおもしろくなってきて


それからは、定番盆踊りソングに
ちょいちょい
洋楽や、踊れそうな曲をはさんだりしたが


とにかく、みんな
なんでもこなす。
草履でランニングマンが出来るとは思ってなかったよ

しまいには
LOVE ちゃんや、刄田さんも踊り出して

これぞ
日本の夏レイヴになりました


私の弟みたいなDJ
平野聡もその祭り、2日間も同じく司会をしていたのだが
わざわざ、最終日にもきてくれて
また、盛り上げてくれた


なんか、忘れられない祭りになりました


来年もあるといいなぁ


遠くから
来てくれた人もたくさんいたよ


また、毎年
クラゲの櫓がたつことを祈って


長い日記を終えます

旅を終えた母の車の鍵
蝉の亡骸に見える夏のおわり