地獄めぐりで再会

5月5日に

大好きなバンド

go!go!vanillasの青いの。ツアーファイナルを見に大分に行けることになり、大分といえば・・・

と、家の中に飾っている20年以上前の写真に目をやった

そうだ、今は亡き祖父母が手を繋いで別府の地獄めぐりの池の前で撮った大好きな写真。

 


その旅行が、祖父と行った最後の旅行になった

肺がんを患ってから、いろんな治療をしていたけれど、いずれも、効き目はあまりなくて、でも、幸い、そんなに辛くないというので

私と兄にとって、父のような存在でもある祖父を行ける間に温泉に連れて行ってあげよう!と、企画した旅行だった

 


そんなにご飯もたくさんは食べられなくなっていても

ゆっくり歩いて、温泉にも兄と一緒に入って

何度も「孫に、旅行に連れてきてもらえるなんて幸せじゃ」と、言いながら、笑ってくれた

 


そんなにたくさん観光するつもりはなかったけど、祖父は大丈夫だといい、湯布院から車で別府の地獄めぐりに行くことにした

もくもくと池から上がっている蒸気に驚きつつ

私は、カメラでおばあちゃんと二人で写真撮るからと

二人にレンズを向けた

 


自然と、二人は手を繋いで笑顔になった

その瞬間が、今飾られている写真。

 

 

 

私は、その旅行の記憶が、とにかく祖父が辛くないように!

とばかり考えていて観光地での思い出がほとんどなく

この写真が、地獄めぐりのどこで撮影したのかもわからなくなっていた

 


ただ、ワニを見たことと池の前で写真を撮ったことだけを頼りに

 


今回、その写真を持って、別府の地獄めぐりでその場所にもう一度行くことにした

 


地獄めぐりというくらいだから、その数、7ヶ所以上の「地獄」と名のついた場所がある

 


時間的にも、全部をめぐるのは無理だから、事前に、かすかな記憶で絞って

ワニのいる「鬼山地獄」その近くの「かまど地獄」そして青い色の池の

「海地獄」、「白池地獄」をめぐることに。

 


最初にワニの鬼山。ワニはわんさかいたけど、池の感じが全く違うので

ここではない。。。。

この時点で、暑いし、旅の疲れもあり、もう挫けそうになっていたが

次のかまど地獄にきた時に、もう禁断の手を使うことにした

探偵ナイトスクープのように

切符売り場の方に写真を見せて「これは、ここではないですかね」

と、聞いたのだ

すると、お二人の方が口をそろえて「これは、海地獄じゃないかな」

と、仰った!もう、こんなに心強いアシストはない。

申し訳ないが、かまど地獄には行かずに、お礼を言って、すぐに海に移動した。

 


海地獄は多数の地獄の中でも、非常に敷地も広くて、何だかお金がかかっている売店やカフェもある。地獄の中の天国のようなところ。

 


入り口を見ても何だか昔の記憶とは一致しない気がしたのだが

 


しばらく歩くと

神秘的なコバルトブルーの池が見えてきた

 


その、柵をみてすぐに「ここだ」と心で両手をバンザイした

 


かまどの方、ありがとうございます!!!!!!

 


写真立てをリュックから取り出して

どの辺と一致するのか場所を探して、ここだ。という場所に

写真を手で持って風景と一致させた

 


見慣れてる写真の中の二人なのに

そこに、いる、生きている感じがした

何ともいえない感情に包まれた

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ご想像通りひとしきり目から汗を流した後に

 


写真を撮って帰った

 

 

 

駅に向かう帰り道のバスの中で

写真っていいなと思った

今は、スマホで、手軽に撮れるけど

プリントアウトすることなどないし

見返すこともあまりない

ただ撮っただけという行為に近い

 


でも、プリントしている写真っていうのは

そこから一歩違うところにある気がする

 


この旅で、お気に入りの写真は、プリントして飾ろう

 

 

 

写真の色は褪せていっても

褪せないものがそこにはある

 

 

今回の旅で

大好きなおじいちゃんおばあちゃんに

再会できた気分。

 

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