2014 夏休み

小学校六年生の夏



自分のその頃を思い返してみる



小6は個人的に、いろいろな事があった年で
名古屋に住んでいたけど
中学から広島に引っ越す事は決まっていたし

思春期特有の
それらの色んな
バランスがとれない日々を
なんとか、深夜のラジオ番組で
保っていたきがする。
どれだけラジオっ子なんだ。



我が家の子どもの周りの皆は
受験勉強で
夏休みはほぼ、お勉強。


みんな、お弁当をもって
夏期講習。
偉いなあ。私だったら無理だなぁ。



で、今年の夏は
子どもと、約束していた。


小学校最後の夏休みは
長く、広島に居ること。



私も、何よりも
子どもにとって
きっと、忘れられない
目に見えないというより、
今しか見えない
彼女の何かを
見逃して欲しくなかった



私の、小学校の時の夏休みを考えると




何もない時間が
想像力をかきたてた。



今だから、わかる事なのかもしれない。



きっと、2日も何もない田舎に居れば
ツマラなーい!
と、言う子の方が多いかもしれない。



近所にあるのは
誰もいない公園と
スーパーくらいだ。


でも、玄関をでたときに見える海の蒼さとか
観音様のような宮島の佇まい、
夕方五時になったら鳴る遠き山に日は落ちてのメロディ


それらが
時を経て




何もないところに
いた、あった、見えた、感じた
あれこれが



どれだけ素敵なものかを
遅い答え合わせのように
わかる時がくる。



かけがえのない、大好きな
おばあちゃんと一緒に。





あっという間に
夏は音もたてずに
おわってしまう



今年も、例年通り


帰る
前日に
母から

今年もありがとうね


なんて、言われた瞬間から


小学生の私に退行し
ワンワン泣きながら


帰る淋しさを爆発させた



そして、別れの当日は、泣かないから。なんて話をしていたのに



駅まで送ってくれた
車のドアをバタンと閉じると同時に

涙がとまらなくなって


子どもに、なんだか、寄り添ってもらうという感じで

母の車を見送った。





岩国空港に向かう電車に乗る一瞬


娘は、私にみえないように
Tシャツの裾で
汗を拭うように
目からこぼれ落ちないように
我慢していたものを
染み込ませてた




いつも
ごめん。


お母さんが、こんなに泣くから

我慢する側にまわるんだよね。




背丈も、ほぼ同じくらいになった
小さな、大きな、子どもと

手をつないで


また、いつもの家に戻った





さよなら


40回目と12回目の


夏休み