青天の霹靂

今日、劇団ひとりさんの作品

『晴天の霹靂』を見に行った



最近、感じていた事と
あまりにも重なるので

本当に、複雑なような
でも、ストンと、腑に落ちるような

いつもとは全く違う感覚で映画を見ていた



まだ見ていない方もいらっしゃると思うので
詳しい事はかきませんが


主人公は、うだつのあがらない
マジシャン

父は行方不明
そして、母は、自分を置いて、小さい頃に出て行ったと
聞かされて育った

何も、うまくいかない日々
そんな矢先に、父が亡くなったと警察から電話。

で、、、、、、割愛して、、、、


ひょんなことから
主人公は、自分の生まれる少し前の1973年にワープしてしまうのです

そこで、若かりし頃の
父と、母と
出会う。

自分の出生の秘密を知る事になる。



という、物語なんですが


重なったんです。
自分のパートナーと義父の事が。









パートナーと彼の父も
いろいろあって

随分前から
疎遠になっていました


次に親父に会うときには
もう、死んだ時なのかもしれない。

そう、思っていて

別々の人生を歩んでいた。




そこに一本の電話。







パートナーにとっての
青天の霹靂








いつもとは流れ方の違う時間が過ぎて




奇跡的に
本当に奇跡的に

父の意識は戻り
喋れるようにまでなりました。








パートナーが

『俺のことわかっとる?』

と、ことあるごとに
父に会うたびに、その質問を繰り返す。






キャッチボールをするのにも
とてつもなく
遠い、遠い場所で

二人は


お互いのボールを
受け取ったり
受け取れなかったり
ボールをわたさなかったり


そんな距離だったのが





たぶん、彼と父は
とてつもなく近い場所で


キャッチボールをしているんだと思います



先日

病室を片付けている最中に
二人の会話を背中越しに聞いていて


毎回聞く

『親父、俺のこと誰かわかっとる?』

という質問に

父は

『わかっとるけど、、、、、、、そう聞かれるんが一番困るんよ』

と言いました。



記憶が、カチっと合ったり、合わなかったりするのです。




そのときに


彼は






『えーよ、そっちが忘れとっても、俺が覚えとるけー』



と言いました。




彼は、今




神様からもらった時間で



二人にしかできない
へたくそなキャッチボールをやり直しているのかもしれません





父は、どう思っているのか


わからないけど





彼からもらった
小さな机を



なでていた姿が忘れられません






家族には、いろんな形があって


本当に、許せないくらい
お互いに距離が出てしまう事だって
稀な事じゃなくて。



でも


今日見た
映画の『青天の霹靂』のような



奇跡のような瞬間があったときに




人生をやり直すことはできないけど



想いの蓋を
優しくすることができたりするんです





キャッチボールの距離が
どんどんせまくなっていって



いつか


きっと

小さい頃に

やってもらったことがあったであろう



お互いの手を握り合えたら





いいなと





二人を見てて


思う。




時間は、いつ、とまるかわからないから




与えられた、その瞬間に


優しい選択ができるように





できるように。