かぐや姫の物語を観て

月が綺麗



夜、ふと見上げると

美しい月



星も、綺麗だけど
月がまぶしいくらい綺麗な夜は

やはり、なんだか嬉しい




月には、人間のサイクルと非常に関係が深いというのは
有名な話。

私も、出産の時には
きれいな満月だった気がする。
満月じゃなかったかもしれないが
まんまるのお月様だった記憶がある。


その時に、やはり、
月は、人と
見えないなにかで繋がっているのかな


と、思った。







昔むかし



私がまだ幼稚園にも通わない頃の記憶で


月に、願い事をしたのを
覚えている


父と母が不仲になって
母と子どもたちがしばらく
祖父母のところに身を寄せていた時に


小さかった私は
ただただ
お父さんが、ここにいない
という事実がさみしくて

母に、どうしていないのか尋ねても
とっても切ない顔で
かえされるので

幼心に、もう、聞いてはいけないのかもしれない
と、感じ取っていた。


それからの私は
月が出るたびに


母にはみつからないように

声にだして

『お父さんに、あえますように』

『お父さんが、帰ってきますように』

と、お願いしていた。


それを、祖母がこっそり見て
泣いていたのを
何度か、知っている。



なぜ、祖母が泣くのかその時には
わからなかったし
そのあと
ギューッと抱きしめられるのも
まさか、もう、お父さんはこの世にいないのではないか
と、怖いことを想像してしまって
余計に、さみしくなった。



どうして、あの時
月に願ったのか



太陽でも、
神様でも
仏壇でも、
ご先祖様でもなく



ひそやかに輝く月に。



幼い私は


月と、人間との
不思議な関係を
なんとなく、感じていたのかもしれない。




大きくなって
笑いながら、その話をするときに

いつも祖母が

『さっちゃんの、お月さんに、祈っとる姿みて、ほんま、胸がしめつけられよったわ』

と、話していた。



今考えると、祖母の気持ちが、とてもよくわかる。



太陽とはちがい
月は
静かで、そして少しこわい。


月に、うさぎが住んでいると聞いても

やっぱり
そのなんともいえない神秘的な美しさの裏にある
暗さとか、冷たさのようなものを感じてしまう。



そして、かぐや姫の物語を聞いて

また、幼心に
月への想いというのが膨らむのである。



誰もが知っているかぐや姫
ジブリ作品になるということで、ものすごく変化しているのかな
と、期待と不安半分で試写会を見に行きました










想像以上のものでした




8年かけて
あの美しく儚いかぐや姫を描いた高畑監督と
その仲間たちは


美しいかぐや姫の謎にせまるだけでなく


地球の
宇宙の
生命をもった存在を
輝かせるというのは

苦しくも、儚くも
とても美しいことなのである

ということを


もう一度


確認したかったのではないかと。



うまく、いえませんが


小さなものへの愛、期待
欲望への葛藤
生きる場所の選択


どれも、今の私の子育てという部分や

幼い頃の自分の
あった姿


を照らし



最後はどうなるのかわかっていても



とても新しい気持ちで
身体から
いろんな想いがポロポロとでていく


そんな感覚でした。





見終わった後


やはり


その日も

月が輝いていて



月を見ると


お願いごとをしていた
あの時の
自分に
一瞬戻る気がして



すこしだけ


月の魔法がかかるのです