絶望のかおり

林間学校から
子どもが帰ってきました


その時、私は仕事で大阪だったので
会えなかったのですが


どうやら、かなり興奮気味で帰ってきたようだ



そして

バスの中で
先生がずっと

『セカイノオワリのRPG』

を流していたらしく


みんなで
合唱しながら帰ってきたらしい



そらそうだ。


小学校での初めてのみんなでお泊りだもんなぁ。


キャンプファイヤー
初めての経験だったしね


そりゃ、冒険だなぁ。



なんて



うふふ。



と、思っていられるわけじゃなかった私。



というのも、実は


母として


最悪なことを
やってしまっていたからである。



それは・・・・


靴の問題。



今回の林間学校では
2日目に、1000メートル弱の山を登る!
というのがメインイベントだったのだが

その際に


『履きなれた運動靴で。底がなるべく厚いものを』

という注意書きがあったのだ。


私はそれを見て

あ、今履いている運動靴は、ちょっと底が薄いやつだから
ちょと前に履いていた、汚れてはいるけど、底が厚めの運動靴を
履いていかせればいいか。


と、思っていたわけである。


なので、前の日に、ちょっときれいにして
そして、防水スプレーもかけて

準備万端だった



はずだった。







がしかし








朝になって
ようし、いってこーい!

という玄関先で


ん???


と、子どもがなんか様子がおかしい。


『これ、入らない。足。小さいよ。無理。』


と、言うではないか!!!!


え?

うそでしょ?



と、ギューギューになった靴を確認。

あかん


これは、あかんで。



前のところが、パンパンすぎて、破裂しそうなハムみたいになっとる!!!!


うわーーーーーーーーー



やってもーーーたーーーーーーー




そして



じゃ、底、薄いけど、今履いてる、これ、この運動靴を
履いていけ!!!!

と、おもむろに


靴の底を見たら
















まさかノーーーーーーーー!!!!!!!!!!!




底に穴があいているではないか!


しかも、うっすらの穴ではない。


小豆2個分の穴。


ざ・穴





NO!!!!!!!!!!!!!



今、我が家には


ギューギュー、もしくは、穴穴の運動靴しかないのである。


時刻は朝6時半である



もう、買いに行くなんて無理である




子どもに



静かに
こういった・・・・・



『この穴のでい・・・いって・・・・もらえるだろか・・・・』




子どもは


ギューギューよりは、そっちのほうがいいよ


と、変に、笑顔だった


笑顔が、また
私の胸をえぐる。



ち、ちきしょう、子どものほうが、なんか余裕あるぜ

なんでだよ




そして、穴アキの靴をならして


林間学校へとむかったのである。



その際、私はあることを願っていた

それは

たしか、今日から行く場所は天気が悪い。
山登りできるかどうかも、微妙だ。
明日の天気予報によると
曇りのち雨。


早い時間に降れば・・・山登り、なし!ということは、中でのオリエンテーリング


と、鬼のようなことを考えていたのである。



2日目のその地域の天気をその日に確認した

すると


昨日より、曇りの時間が多い!!!!
ガッデム!



ああーーーーーー




私の予感は的中し


八時から、子ども達は、山を登り始めたそうだ

そして

帰る道すがら
雨が降り出して
あたらしい、かわいいポンチョを出したはいいが


足は





足は




もちろん、水さんいらっしゃい状態なので

ズブズブである



とたんに足がふやけて

気持ち悪さが漂った



そして



そして



それから、どうしたーーーー


と、帰ってから、顛末を聞いていたら



『もう、しかたないから、無でいくことにした』


ん???


『無?』



お、おまえ。。。。。。




悟りか〜〜〜〜〜

悟り開いたか〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ




絶対に、母ちゃんよりも、タマシイのレベル上だろーーーーーーっっっ


(無で、というのは、靴を履かないということではなく、何も考えないで。という無です)



私を、責めることもあまりなく



『あのさ〜、水を含んだ靴下ってさ、絶望の匂いがするんだよね〜』





ええええええええ





まじっすか!



ぜ・つ・ぼ・う



って、その匂いなんすかっ



と、母子逆転である。





ほんっとに、今回、ごめんね!



と、謝り



子どもに



『いーよ。でも、三日目さぁ、まだ乾かなくって、靴履いたら、またびっちゃびちゃだったんだよねぇ
 あれって、絶望的な感覚だよねぇ』



ええええええええ



ぜ・つ・ぼ・う


の、感覚なんすかっ!!!!!!!



って、ほんとに。
もう、すみません。読んでてバカらしいでしょ。





とにかく、そんなこと
きにならないくらいの


冒険



だったようだ。



彼女はまた



レベルアップして帰ってきた





おかえり




もう二度と、靴での失敗はしませんから・・・・・はい・・・