母の靴下

何度も言うが
私はものすごくお母さん子である


何よりも母の事が大すきで


離れて暮らすようになってから


休暇が取れるたびに

どこか行きたいところは



あそこも行きたい、これも見たいし



と、いろいろ考えたら出てくるのだが

最終的に


お母さんに会いたいな



と、結局広島の実家に帰るのである


42歳にもなって恥ずかしげもなく
母に会いたい
会って、たわいない話をしたい
母の味噌汁が飲みたい

何よりも、私より、少し小さくなってしまった母を
ぎゅーっと抱きしめたい


と年々その思いは増すばかりである



このぐらいの時期になると
母から大きなダンボールが届く


もみじまんじゅう、広島牡蠣のり、カープソースや
広島菜漬、イカフライに謎のうまい棒


ぎっしり詰められたそれらを見ては
目から大量の汗を出し
家族に見つからないように拭う
まぁ、バレバレだが



今年は、モコモコの寝巻きまで入っていた
私と、孫に
色違いの寝巻き



それともうひとつ
今回は、大量に入っていたのが



靴下


である



母は、自分では気がついていないのだと思うが
靴下、スリッパの類に、人並みならぬ興味?いや、関心があるのだと思う


スリッパに関していうと
普通の御宅だと
お揃いのスリッパが何足かあると思う。

だが、実家は
揃っていても、だいたい二組で
あとは、別の素材の柄が、沢山あるのだ


なぜ、いつもバラバラで買うのだろうと不思議に思うし
しかも、よく買い換えるのだ

そんなにスリッパ買い換える???

と聞いても

「なんで?ダメ??ええじゃん、買いとうなるんじゃけー」

と、頑なだ。




そして靴下

今回、
私用、孫用、そして私のパートナー用の
普通の靴下と
もっこもこのルームソックスが
大量に入っていた

お母さんらしくて笑った



その昔、
私がお付き合いしていた人に、車で送ってもらった時に
母が玄関に出てきて

「ちょっと待ってて!!!」

と告げ、何かと思えば

手に黒っぽいものを持っている

「これこれ!持って帰って!!いいやつだから!」

と、靴下を渡すではないか

「ちょ、お母さん!やめてよ!!靴下なんて趣味もあるし」

という私の話など耳に入らず

ドヤ顔で

「これ、すごい消臭効果あるから!」


と言い放った。


まるで、私が、その人が足が臭くて悩んでるって母に言ったから
渡したみたいになってるじゃないか!!!!!!
(そんなことは全くない)


それでも母は
ものすごく満足気な顔で
靴下を持った彼を見送っていた





そんなエピソードからもわかるように




母は


靴下に込める何かの想いがあるのだと思う



靴下に入っていなくても
ダンボールの中のあれこれは
紛れもなく
クリスマスプレゼントに他ならない





靴下・・・・・・




そうだ





私にとって



生まれてからずっと





サンタは


母なのだ